ストリートダンス界には様々なターニングポイントが存在しています。
例えば、1977年に公開された映画『サタデーナイトフィーバー』は、ディスコブームを世界中に巻き起こしました。
音楽とダンスの楽しみ方を全世界に普及させ、多様な音楽ジャンル創出に寄与しました。
1983年に公開された映画『フラッシュダンス』は、ディスコ文化を大きく進化させ、競い合うダンス"ブレイクダンス"を世界中に広めました。
これにより世界中の若者がブレイクダンスに夢中になり、ストリートカルチャーを形成することになります。→Break Dance(ブレイクダンス)ってどんなダンス?
ストリートカルチャーが根付いた1993年、『天使にラブソングを2』では、音楽とダンスは人種や性別・年齢関係なく楽しむことができる素晴らしいカルチャーであることを世の中に再認識させました。
このように、ダンス界には様々なターニングポイントがあり、それらを席巻したのは間違いなく映画です。
今回はストリートダンス界に大きな影響を与えた映画について解説します。
ダンサーはもちろんのこと、純粋に楽しむことができる映画ばかりですので参考にしていただけると幸いです。
サタデーナイトフィーバー【1977年】

1977年に公開されたジョントラボルタ主演の映画です。
ダンスと青春とアメリカ社会の格差が描かれており、当時のアメリカのリアルを知ることができる内容です。
この映画はディスコブームの火付け役であり、ディスコ音楽を世界中に広めました。
ディスコはストリートダンスの起源!!ダンサーなら一度は見てほしい映画です!!
また、主演のジョントラボルタと楽曲を提供したBee Geesをスターダムに押し上げた名作です。
Bee GeesのStaying Aliveは誰しも一度は聞いたことあるはず!! ↓↓クリックしたらそのままサンプルが流れます↓↓
ディスコの起源、是非ご覧ください。
WILD STYLE(ワイルドスタイル)【1983年】

1983年にアメリカで製作された映画です。
これを観なければHipHopは語れないと言われる程、HipHop文化形成に寄与した映画です。
グラフィティアート(スプレーで地下鉄や高架下に絵を書くこと)が得意のレイモンドが夜な夜な違法アートを製作しおり、ある日新聞社からの正式なお仕事依頼が舞い込み、仕事として描くこと、好きに描くことの葛藤が描かれています。
正直、ストーリーとしては普通なのですが、HipHopの描写と出演者が凄い.....
HipHopの構成要素である、
HipHop4大要素
- Breakin'
- MC
- DJ
- Graffiti
これらが全部この映画に詰まっています。
出演者はRock Steady Crew、グランドマスターフラッシュ(スクラッチの神)、これは必見の映画です。→DJの歴史について
フラッシュダンス【1983年】
1983年に公開され大ヒットした映画フラッシュダンスは、世界中にブレイクダンスを認知させた映画です。
ストリーも素晴らしいですが、ストリートでブレイクダンスを披露するRock Steady Crewは全世界に衝撃を与えました。
Rock Steady Crewがパフォーマンスしたのはたった1分ちょっと!!それで世界中が熱狂するなんて....
このシーンで流れたジミーキャスターバンチのIt's Just Begunは未だにB-boyが愛する楽曲となっています。↓↓
また、The Spartanic Rockersの宮田氏は世界中のB-boyに、
『ブレイクダンスを始めたきっかけは何?』と聞いて回り、殆どがフラッシュダンスと答えた
と語っていました。
それほど世界に影響を与えた映画です。
ストーリーも素晴らしいですが、主題歌のIrene Cara(アイリーンキャラ)のWhat A Feelingがいい楽曲すぎて泣けてきます。↓↓クリックすると無料で流れます↓↓
BREAKIN'(ブレイクダンス)【1984年】
ブレイクダンスは1984年にアメリカで公開された映画です。
正直に言います、ストーリーは微妙です(笑)しかしダンスシーンが多く画期的な映画です!
Breakin’だけでなく、Poppin’やアニメーションのシーンが有名です。
また、クラフトワークの楽曲が使用されテクノ音楽の流行にも寄与しました。↓↓Popperが愛してやまないクラフトワーク↓↓
全世界が驚いたシーンブガルーシュリンプのムーンウォーク↓↓
マイケルジャクソンのダンスの師匠、Pop N Taco(ポッピンタコ)も出演しています。
HipHop黎明期の素晴らしいパフィーマンスばかりで、ダンサー必見の映画です。
BEAT STREET(ビートストリート)【1984】
BEAT STREETは1984年にアメリカで公開された映画です。
この映画はフレッシュダンスと同じくらいB-boyに衝撃を与えた映画で、
ポイント
- ダンスバトルの実際の映像が初めて配信された
- DJがかける楽曲がかっこよくブレイクビーツが普及した(Breakers Revengeは今でもダンスシーンの定番)
- Breakin’以外のジャンルもバトルに参加している(Poppin’もダンスバトルで披露されています)
などなど、当時のダンサーの度肝を抜く映像ばかりでした。
ダンスバトルのお手本となった映画でもあります。
B-boyの定番楽曲となったBreakers Revenge↓↓
この映画は多くのダンサーのお手本となりました。
クラッシュグルーブ【1985年】
『クラッシュグルーブ』は1985年にアメリカで製作された映画です。
1980年代~1990年代のアメリカを代表するHipHopレコード・レーベル「デフ・ジャム・レコード」を立ち上げるまでの実話に基づき映画が作られています。
この「デフ・ジャム・レコード」ですが、かなり有名なレコード会社で、Run-D.M.C.、ビースティーボーイズ、LL・クール・J、パブリック・エナミー、EPMDなどなど.....
今では考えられないほどの売れっ子たちを抱えていた伝説的なレーベルだったのです。
ストーリーは微妙です(笑) 若かりし頃のRun-D.M.C.やビースティー・ボーイズが観たい方は是非!!
天使にラブ・ソングを2【1993年】
これは誰もが知る名作ですね!!
1993年にアメリカで公開された名作です。
ウーピー・ゴールドバーグの型にはまらないシスターっぷりは話題を呼びました。
この映画はシンプルに『音楽とダンスは楽しい』ということを表現しており、人種・年齢・性別関係なく楽しめる音楽とダンスは最高だというメッセージを感じます。
Oh Happy Day派とJoyful Joyful派に分かれるところです。どちらも素晴らしい楽曲です。
また、型にはまらず自由に創造することの重要さも教えてくれます。
映画はゴスペル的な表現が多いですが、ダンサーもかなり勉強になる作品です。
You Got Served(ユー・ガット・サーブド)【2004年】

2004年にアメリカで公開され、New Schoolの教科書的な映画となりました。
ダンスとケンカと友情を描いたストーリー的には普通の映画ですが、『New Schoolのダンスバトルはこう!!』みたいなお手本を築きました。
迫力満点のダンスシーンは必見です!!
興行成績が非常に良く、2011年にはYou Got Served Beat the worldという続編も公開されています。
RIZE【2005年】
RIZEは2005年にアメリカで公開された映画です。
ストーリーはお決まりの感じで..... ギャングになるのか、ダンスで一旗揚げるのかみたいなストーリーですが、何といっても『KURMP』という新しいスタイルを浸透させた映画です。
トミー・ザ・クラウンが創ったクラウンというダンススタイルと、弟子であるタイト・アイズが創ったクランプというダンスがバトルをするのですが、New Schoolの新しいカルチャーが築き上げられたことは間違いありません。
KRUMPは「Kingdom(王国)」「Radically(根本)」「Uplifting(高揚)」「Mighty(偉大)」「Praise(賞賛)」の頭文字から創られた造語です。
BURLESQUEバークレス【2010年】

バーレスクは2010年にアメリカで公開された映画です。
クリスティーナ・アギレラの映画初主演とあって、注目されました。
田舎から出てきたクリスティーナ・アギレラが、歌手という夢を叶えるために奮闘するサクセスストーリーなのですが、アンダーグラウンドからメジャーに飛躍する様が非常に素晴らしいです。
『このままアングラの世界で食っていけるのだろうか』みたいな悩みを解決してくれる映画で、勇気をもらえます。
悩んでいるダンサーは是非ご覧ください。
以上がストリートダンスに影響を与えたおすすめの映画10選でした。
ストリートダンスにはターニングポイントがいくつも存在し、その多くが映画の影響を受けています。
ダンスに行き詰まったらこういった原点に戻り、ゆっくり映画を観るのもいいですよ♪
それじゃ、See you next time!!