ウィンドミルとはブレイクダンスで最もメジャーなパワームーブで、初心者が最初にチャレンジする大技の1つです。
両足を開き地面に背中を付けて遠心力を資料して回る技で、見た目通り『風車』の意味を持ちます。
初心者が回れるようになるのは比較的早いですが、実は奥が深くウィンドミルマスターになるのはかなり難しいとされています。↓↓マスターの動画↓↓
14年間のウィンドミル pic.twitter.com/1vXMsAIOV8
— bboy hiros1 (@247danceworld) March 25, 2019
今回はウィンドミルの歴史、How toなど詳しく書き留めておきます。
ウィンドミルって何?
ウィンドミルについての歴史、How toについて詳しく解説します。
ウィンドミルの歴史
ウィンドミルの起源は、中国の拳法の技と言われています。
寝転がった状態から手を使わずに起き上がる跳ね起きがルーツで、それを連続したのがウィンドミルと言われています。
名前は『スターフィッシュキックアップ』というのですが、ウィンドミルの入りのLAスタイルと言えばわかりやすい人もいると思います。
・LAスタイルは地面から足を振ってウィンドミルに入る方法
・NYスタイルはチェアーの形からウィンドミルに入る方法
ウィンドミルの難易度
初心者が最初に練習する技なので、回るだけならそこまで難易度は高くはありません。
おそらく半年とか1年程である程度回れるようにはなります。
しかし、ウィンドミルは非常に奥が深く、綺麗に回ったり完璧に習得するのが難しい技と言われています。
冒頭でかなり美しいウィンドミルを回っていたbboyhiros1さんがウィンドミルについての解説をされていますが、『物体が抵抗を少なくし美しく回転するには?』みたいな物理学的な話になってきています。
(僕は物理に明るくないのですが、DRBさんという方がnoteにまとめていいますので詳しく知りたい方はチェックしてください)
ここはめちゃくちゃ重要で、闇雲に練習するよりも理屈を理解して理想に近づける練習をした方が上達は早いです。
ここまでウィンドミルについて解像度高く分かりやすい解説をされている方は他にはいませんのでとても貴重です。
学術的に価値があるような内容!!
下記ツイートのようなレベルまでのウィンドミルに至るには相当な練習と時間が必要です。
理想的な斜め回転のグラウンドムーブ(ウィンドミル、Aトラックス等)は強固な軸のある物体がその場で回転して転がる円軌道に限りなく近づきます。 pic.twitter.com/VZRIC0YQpb
— bboy hiros1 (@247danceworld) July 29, 2022
ウィンドミルを回るのに必要なこと
bboyhiros1さんの死ぬほどわかりやすいウィンドミル講座です↑↑
理屈を理解すること
まず、むやみやたらに練習するのは効率が悪いですし、体中アザだらけになってしまいケガをしてしまいますので、ファーストステップは理屈を理解することから始めるべきです。
個人的な見解も踏まえて⑤つのステップを考えてみました。
ポイント
- 極力頭は地面から離れないように回転する
- 地面と体の接地面を一定に保つ
- 開脚は一定に保ち返しのときも開脚幅が変わらないようにする
- 頭から股間にかけて軸をつくりブラさない
- 全ての動作を同じように繰り返す
個人的にこの5つをポイントとしてあげました。
偉そうに言っていますが、加齢に伴い見苦しいウィンドミルしかできません...
ウィンドミルには必ず軸が存在し、地面と体の接地面を一定に保つ必要があります。
頭を地面に付けそこから軸をつくり接地面を一定に保つことで、安定的に簡単な力で回ることができ、ピードも増します。
初心者の多くは頭を地面に付けずに回転してしまうため
- 軸がブレる
- 地面との接地面がバラバラ
- 必要以上に力が必要
上記のように負の連鎖が起きてしまい、ウィンドミルにムラができてしまいます。
まずは、理屈を理解し効率的に練習しましょう。
柔軟性
ウィンドミルに柔軟性は欠かせません。
開脚をして旋回するのである程度の柔軟性が必要で、120度未満の開脚では効率的な旋回ができませんし、遠心力も働きにくいです。
スケートのスピンのように遠心力を巻き込み、ドリルのように早さを出すことは理論的には可能ですが、続けて旋回するウィンドミルには不向きです。
ウィンドミルを絞って回転速度を上げるエリオという技があるのですが、こちらは回転速度が上がりますが連続は難しい技です。↓↓Isseiのエリオ↓↓
あと、ウィンドミルで回っている時は遠心力が働くので、自分の性能以上に開脚をしてしまい股関節を痛めてしまいます。
僕も股関節を痛めた経験があるからよく分かる...
どのパワームーブでもそうなのですが、股関節を痛めない工夫が必要です。
僕は開脚し過ぎないように意識すること、内股でパワームーブすること、この2つを注意していました。
ある程度チェアーができるようになること
ウィンドミルが上達するとチェアーに入れることはないですが、最初は必ず必要になります。
ゼロスピードネックムーブをみていただければよく分かります。
練習量
理屈が理解できればあとは練習量がモノを言います。
基本的には回った分だけ上達もするし、アレンジも加えられます。
回ってからしか発見できないこともあるので、回り続けましょう(笑)
自戒を込めて!!!
ウィンドミルから派生した技
ウィンドミルから派生した技をいくつか紹介します。
ノーハンドウィンドミル
その名の通り、床に腕をつかず回るウィンドミルのバリエーションで90年代のブレイキンシーンを代表するパワームーブです。
だいたい想像できると思うので動画は割愛。
ベビーウィンドミル
足を組んだ状態で回るウィンドミルです。
ウィンドミルの軌道がしっかり確立されていないと、遠心力に負けて連続して回ることができません。
また、体が遠心力に負けないように固める必要があるので腹筋が必要になります。
Aトラックス
ウィンドミルを斜めで回り続けるような技です。
回転速度を維持したまま回り続けるのは難易度が高く、ウィンドミル同様奥が深い技です。
色々な技を紹介してきて最後にちゃぶ台をひっくり返すようなことを記載しますが、
bboy hiros1さんが『斜め回転は全て同じ技に見えるのが最終形』という格言を仰っており、その通りだなと痛感しています(笑)
ウィンドミルマスターを紹介
ここからはダンスの歴史書が独断と偏見で選ぶウィンドミルマスターをご紹介します。
B-boy IVAN
20世紀No.1ブレイカーの呼び声もあるIvanです。
彼はウィンドミルだけでなく全てのパワームーブが一級品で、身体能力もずば抜けています。
インスタで現在の様子が見れます。
おそらく50代後半くらいではないでしょうか?未だにウィンドミルのキレが凄い。
B-boy Storm
ダンスをするために生まれてきた人です。
パワームーブ全てのクオリティーが高く、Old School全てが上手という...
ドイツが生んだダンスの申し子です。
B-boy Hiros1
今回お世話になった Hiros1さん。日本人でここまできれいに回る方は初めて見ました。
今回この記事の作成にあたってご協力を頂きました。感謝です!
B-boy Taisuke
ここからは日本が誇るTopB-boyのウィンドミルです。
B-boy Taisukeの10年程前のムーブです。
2001年のBOTYで、Team Ohhとしてウィンドミルをしていた記憶が蘇ります。
1周目からトップスピードでり、音ハメにも対応するスキルの高さが伺えます。
B-boy Shigekix
先日インスタで公開されていたShigekixのウィンドミルです。
日本Top B-boyはウィンドミルもクオリティが高いです。
以上が、ウィンドミルに関する独断と偏見的なまとめでした。
ご協力いただいたbboy hiros1様ありがとうございました。
それではこの辺で、See you next time!!