Waccking'(ワッキング)、Punking'(パンキング)と呼ばれるダンスは、1970年代アメリカLAで生まれたダンスです。
この踊りは黒人ゲイカルチャー発祥で、彼らはより女性らしく美しく魅せるためにアメリカの大人気女優のGreta Garbo(グレタ・ガルボ)やMarilyn Monroe(マリリン・モンロー)などのポージングを模倣してこのダンスを創ったと言われています。
男性的なカクカクした踊りは一切排除し、手や身体を鞭のようにしならせて、曲線的でしなやかさや色気を追求したダンスです。
まずは下記動画をご覧ください。
これが、Waccking'(ワッキング)、Punking'(パンキング)です。
このダンスは1970年代に創られた踊りで、ストリートダンス発祥初期からあることからOld Schoolに分類されます。
1970年代後期、Waccking'の創始者と言われているTyrone Proctor(タイロン・プロクター)が、The Outrageous Waack Dancers(アウトゥレイジャスワックダンサーズ)というチームを結成しソウルトレインで披露します。これがWaccking'(ワッキング)、Punking'(パンキング)の起源と言われています。
基本的にWaccking'(ワッキング)、Punking'(パンキング)に違いはなく、同じ踊りと認識されています。
なぜ同じ踊りなのに2つの呼称があるかと言うと、諸説ありますが、
名前の由来
- タイロンが踊るときにオーディエンスが『ワーーック/whack』と叫ぶからワック
- wackというスラングの意味が奇人・変人でゲイが踊るのでそう呼んだ
- punkという意味が同性愛者の少年という意味でそう呼んだ
いずれにせよ差別的な意味合いが強く、今ではWaackという独自のスペルにて記載されるのが定着し1つのダンスジャンルとして確固たる地位を築いています。
今回はWaccking'の歴史を紐解きます!
Waack Dance(ワックダンス)とは?
Waack Danceとは手や身体を鞭のようにしならせるダンスなのですが、言葉で表現するのが非常に難しいので一度ご覧ください。
Bad Queenと呼ばれるYumeki&Ibukiによる日本のユニットで、世界を魅了するWaccking'ダンサーです。
これが現在のWaack Danceです。
腕をムチのように振り回したり、腕を体に巻きつけたり、胸を上下左右に動かすといった動きをするところが特徴的です。
Waacking'は黒人ゲイカルチャー発祥で女性のように美しく魅せたいという思いがある一方で、バックグラウンドにはSoulやHipHopがあります。
双方の良さを取り入れ、Olo SchoolのLockとも相性が良く、ミックスして踊る人も多いです。
Waack Danceの歴史
Waack Danceは1970年代LAで生まれたストリートダンスの1種で、Old Schoolに分類される古いダンスです。
Waack Danceの創始者であるTyrone Proctor(タイロン・プロクター)らが、テレビ番組『ソウルトレイン』で披露すると全米に知られることとなります。
また、The・LockersというLock Danceで既に知名度のあったチームのShabba Doo(シャバドゥー)がLock×Waackという新たな形を生み出し、黒人ゲイだけでなくLock Dancerからも好まれて踊られるようになりました。
オリジネーターのタイロン氏は1989年にはMTVアワードで最高の振付師にノミネートされるなど順風満帆なダンス人生を歩むのですが、この頃からWaacking'は世の中から姿を消します。
Waacking'は1980年代後期から急速に人気が無くなってしまいます。Wacckのオリジネーター(創始者)が次々とエイズにより亡くなってしまうからです。
創始者のタイロン氏は2020年に亡くなるのですが、それ以外のメンバーは1980年代〜1990年代にほぼ全員がエイズで亡くなっています。
当時のアメリカでは同性愛者のエイズが社会問題となっており、同性愛者に多くの感染者がいたのも事実です。
ゲイカルチャー発祥のWaack Danceは世間から強烈なバッシングを受け、その踊り手も急激に減っていきました。
Waacking'を踊る人が世の中から消え、人前で踊ることがタブー視されたのです。
転機が訪れたのは2003年頃です!
BRIAN ・GREEN(ブライアン・グリーン)、ダンス名:BRIAN "FOOTWORK" GREEN(ブライアン・フットワーク・グリーン)がWaacking'の消滅に危機感を抱き再び世の中で踊るべきだと行動を開始します。
彼自身はHipHop、Pop、Houseなんでも踊れるスーパーダンサーです。
オリジネーター(創始者)が殆どいなかったのですが、オリジネーターを見て育ったダンサー達(第2世代)を再び奮起させWaacking'が再び日の目を見るよう尽力します。
その甲斐あって、Waacking'は再び表舞台に戻り今では世界中にパフォーマーが存在する人気のジャンルに昇華しました。
日本でWaack Danceが広まった理由
日本でWaackが流行ったのは福岡のBeBopCrewがきっかけと言われています。
彼らは、1980年代にLock、Soul、Waackのミックスで踊っており、今でもその組み合わせでよく踊っています。
日本では同性愛者が踊るという習慣はなく、差別や摘発も無かったため途切れることなく踊り続けられていました。
最近ではキッズダンサーでもWaackを取り入れるなど、日本は世界で最もWaackのレベルが高いとも言われています。
実際にWaack Danceを動画で見てみる
実際にWaackを見てみましょう。
この動画はBeBopCrewのRICKYさんのパフォーマンスです。(この時50代後半とかじゃないですかね、かっこいい)
冒頭はソウルステップやHouseのようなステップで魅せており、1分30秒くらいからWaackを入れています。
どこか女性的というか、中性的というか、そのグルーブが本物のWaackだなと感じるパフォーマンスです。
Waack Danceの解説はこの辺で、それではSee you next time!!