House Dance New School

House Dance(ハウスダンス)ってどんなダンス?

2022-01-21

House Danceとは

House Danceとは1970年代後期、アメリカのシカゴで誕生したHouse Musicにのせて踊るダンスのことです。

日本で広く普及したのはTRFのSamさんの影響です。

彼が踊っているようにテンポの速い音楽に合わせて高速でステップを踏むのがHouse Danceです。

この時期に生まれたHouse Danceや、それより少し前に生まれたPunking/Waacking(パンキング/ワッキング)1980年代に誕生するSHAKE(シェイク)1990年代に広まるVogue Dance(ヴォーグダンス)はいずれもアメリカのゲイカルチャーが発祥と言われています。

現在のように同性愛やLGBTが広く認知されている世の中ではなく、同性愛者は自己表現の場を模索し辿り着いた先がディスコだったのだと私は解釈しています。

そもそも1960年代後半から発展したディスコの多くはRockを基調とした音楽が主流で、客の多くを白人中流層~富裕層が占めていました。

しかし、ドラッグの蔓延や治安の悪化によりディスコが次々と摘発され閉鎖を余儀なくされた結果、ディスコ経営者達は存続のためにより広い客層を取り入れたり、様々な経営努力を行います。

今までは対象としていなかった黒人やラティーノ(ラテン系の人々)、ヒッピー(伝統に反抗し自由を求めた人たち)などを受け入れディスコを存続させようとするのです。

当時のディスコには人数制限などはなく、より多くの人を箱に詰め込めば儲かるので誰でも彼でも押し込むような経営スタイルを行っていました。

その結果、アンダーグラウドの方が活躍できる同性愛者や黒人が押し寄せたのです。(後に黒人や同性愛者へのヘイトで再び摘発されるのですが...)

その結果ディスコは、いろいろな人種や思想を持つ人々で溢れ、音楽の持つLove&Peaceや自由と平等の精神も相まって、表の社会で差別をされていた人達が自然と集まったと言えます。

いずれにせよ、House Danceはディスコに集まった同性愛者によって築かれたカルチャーであり、今なお世界中で人気のあるダンスジャンルの1つなのです。

House Dance(ハウスダンス)とは?

House DanceはHouse Musicに合わせて踊るダンスのことで、比較的速いリズムでステップを踏むのが特徴です。

House Danceについて詳しく解説します。

House Musicの存在

House Musicとは1970年代後期、アメリカシカゴで生まれた新しい音楽のことで、フランキー・ナックルズ(Frankie・Knuckles)という人が生み出した音楽のことです。

元々は友人のラリー・レヴァン(Larry・Levan)とニューヨークでDJプレイをしており、彼らは2人ともゲイであることをカミングアウトしていました。

1977年頃フランキー・ナックルズはシカゴのディスコ、Warehouse(ウェアハウス)のパーティーに招かれDJプレイを行います。

最初は人が集まることは無かったものの、徐々にフランキー・ナックルズのDJプレイが人気になり、『Warehouse(ウェアハウス)でプレイされる音楽が最高にクール』という噂が次第に広まります。

Warehouseで流れている音楽なので、Warehouse Music→House Musicと変化し世間に広く認知されるようになります。

これがHouse Musicの成り立ちです。

では、具体的にHouse Musicとはどんな音楽なのでしょうか?

今でこそ様々な進化をしていますが、当時は少し前に流行ったソウル系音楽のビートを早め、その上にエレクトロミュージックを被せたり、Kraftwerkと呼ばれるドイツ発祥の電子音楽グループが用いたテクノ音楽を被せたのがHouse Musicです。

超ざっくり分かりやすく言うと、小室さんが作る音楽のソウル版(古い版)みたいなイメージですかね!

House Danceとは?

House DanceはHipHopと同じくNew Schoolに分類され比較的最近発展したダンスでHouse Musicにのせて踊るダンスのことです。

速めのテンポに合わせて素早くステップを踏むのが特徴で、TRFのSamさんが踊っているダンスでピンとくる方も多いかもしれません。

文字で表現するのが難しいので、一度見ていただくのが早いです。

世界的ハウスダンサーHIROのダンスです。

こんな感じでHouse Musicにのせて踊るのがHouse Danceだよ!

House Danceの歴史

ダンスの歴史書アイキャッチ画像

1970年代後半にHouse Musicが誕生すると、すぐHouse Danceも誕生します。

当時のHouse Danceは、ヒップホップ、カポエラ、ブレイクダンス、タップダンス、チャチャ、サルサ、バレエ、などさまざまなジャンルのダンスをHouse Musicに合わせて踊っていたものです。

基本的には昔からあるステップを速いテンポで踊り『カッコよく見えれば何でもあり』で、フリースタイルの要素を多く取り入れています。

このHouse Danceの発展に寄与したのが、Dance Fusion(ダンスフュージョン)とELITE FORCE(エリートフォース)というアメリカのダンスチームです。

Houseを踊っている人のバックグラウンドにはHipHopがあって、基本的に両方のジャンルを踊れる人が多いよね!

Dance FusionのメンバーCaleaf(カリーフ)はELITE FORCEのメンバーでもあり両チームのエース的な存在で、世界中のダンサーからリスペクトされています。

マイケルジャクソンや、マライアキャリーのバックダンサーもつとめ、HouseだけでなくHipHopの普及にも貢献しました。

彼らの活躍があり、世界中にHouseを踊るダンサーが現れるのです。

House Danceが日本で広まった理由

ダンスの歴史書アイキャッチ画像

日本でHouse Danceが広まったのは、1992年頃です。

川崎にあるCLUB CITTA'と呼ばれる箱で、The Main Streetと呼ばれるダンスイベントが開催されます。

そこで活躍していたのが現在ALMAというチームのリーダーで世界トップの実力を誇るKOJIさんです。

彼はNYにダンス留学し当時最先端とされていたダンスを日本に輸入します。

そのダンスが若者に衝撃を与え、日本各地にHouse Danceが広まるようになります。

元々KOJIさんはZOOのメンバーとして活動しており、同時期にLUKE(ZOO)・HIRO(ZOO / EXILE)・BOBBY・KOJI(Roots/ALMA)で別のチームを結成します。

そしてBobby Brownが来日し彼らをステージに上げ、その時に発した言葉が『友達を紹介するぜ、Japanese Soul Brothers』

お気付きの方も多いと思いますが、これがJ Soul Brothersの初代です。

当時アメリカではThe Soul Brothersというダンスチームが人気があり、それの日本版として紹介されたのがきっかけと言われています。

その後JSBを脱退しますが、Roots、ALMAというダンスチームのリーダーとして活躍します。

ALMAにはDance Fusion(ダンスフュージョン)の正式メンバーとして認められたHIROも参画し日本のトップを牽引し続けます。(EXILEのHiroさんとは別人です)

また、RootsやALMAのメンバーがTRFのバックダンサーやサポートダンサーとして参画し日本に広く知られるようになります。

これが日本でHouse Danceが広まったきっかけです。

実際にHouse Danceを動画で見てみる

House Danceのバトル動画をピックアップしました。

House Dansuの創ったDance FusionのメンバーCaleaf(カリーフ)と、日本人で初めてDance Fusionの正式メンバーとなったHIROのバトル動画です。

色々なジャンルのダンスを踊ってきましたが、Houseが1番難しいと感じます。

でも踊れたらめちゃくちゃかっこいいですね。

House Danceの解説はこの辺で、それではSee you next time!!

  • この記事を書いた人

ダンスの歴史書の先生

ブラックカルチャーを心底リスペクトしダンスが好きな30代。 ダンスを知らない人にはダンスの魅力を、ダンスをしている人にはもう一段階上手くなるような情報や歴史を面白く伝えるメディアです。

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