Battle of the Yearとは1年に1回開催されるブレイクダンスの世界大会のことで、"世界一の規模"、"世界一の歴史"、"世界一の名誉"が手に入る、いわばダンス界の『ワールドカップ』のような大会です。(以下:BOTY)
BOTYは『Red Bull BC One』『UK B-Boy Championships』と並んでブレイクダンスの世界3大大会と呼ばれています。
テニスで言うところの4大大会みたいなもので、優勝すればかなりの影響力を手にすることができます!
BOTYは1990年にドイツで始まり、30年以上の歴史を持っています。
基本的にはドイツやフランスなどのヨーロッパでの開催が多かったのですが、今年2022年12月には日本の沖縄で開催されることが決定しています。
2024年にはパリオリンピックの正式種目にもなっていますので、これを機にBreakin’が盛り上がることは間違いなしです。
今回は、世界最大級のBOTYについて深堀します。
Battle of the Yearとは?
BOTYについて深堀りし、魅力をお伝えします。
BOTYとは?
BOTYは1990年にドイツでスタートしたブレイクダンスの世界大会のことです。
UK B-Boy Championshipsは1996年、Red Bull BC Oneは2004年開催なので、かなり早い時期から開催されており、アングラなストリートダンスイベントをメジャーへと昇華させた大会でもあります。
年に1回開催され世界の約15の国と地域で予選を勝ち抜いたチームが参加し、世界一を競っています。
実はBOTYは2回映画化されています(笑)2005年にPlanet B-Boyとして、2013年にバトルオブザイヤーとして。
因みに、バトルオブザイヤーの主演はクリス・ブラウンです!!(2度とも同じ映画監督👀)
Planet B-boyの音楽はマジでかっこいい↓↓
クリスブラウン主演のバトルオブザイヤー↓↓
BOTYのルール
BOTYのルールを簡単に解説すると、
BOTYのルール
- 1チームの人数は10人まで
- 各国の予選を勝ち上がった約15チームが世界大会のステージでShowを行い審査を受ける
- Showの1位・2位はファイナルバトルに進出、3位、4位、5位、6位の中でバトルを行い勝った2チームがファイナルバトルに出場
- ファイナルバトルに進出した4チームがトーナメント方式で戦い勝ち残ったチームが優勝する
こんな感じです。
他にも、暴力的な行為や、宗教や思想、社会的な事情を持ち込むことはNGとされており、HipHopのLove&Peace精神に則りパフォーマンスを行わなければなりません。
BOTYの2つの特徴
UK B-Boy ChampionshipsやRed Bull BC Oneと違ってShowがあることが1つ目の特徴です。
個人的なスキルが及ばなくとも、Showさえしっかりと作り込めばバトルに残ることができるので、全員に等しくチャンスが与えられています。
身体能力に依存しないこの制度は画期的だよね!!
2つ目の特徴は、賛否を巻き起こしていますが、バトルのルーティーン化です。
ルーティーンとは決まったフリを踊ることで、本来のダンスバトル(DJが即興で音楽をかけてダンサーが即興で踊る)意味合いとは少し離れています。
BOTYのダンスバトルは殆どのチームがルーティンを駆使しており、中には全ムーブルーティーンというチームまで存在します。
ルーティーンをするメリットとしては、
ルーティーンのメリット
- バトルは時間が限られているので、チームのムーブ時間を長くとれる
- ソロムーブよりもルーティーンの方がジャッジやオーディエンスにインパクトを与えることができる
- チーム10人全員が参加できる(10対10のBOTYのバトルで1ON1をやっていたら出番がこないこともある)
こんなメリットがあります。
限られたバトル時間の中で10名のダンサー全員のパフォーマンスを出すのは難しので致し方ないとも思いますが......
ルーティーンには賛否両論あって、本来のダンスバトルとは違うという意見もあります。
The Floorriorzは2015年~2017年3連覇をしていますが、2017年はあえてルーティーンを全く使わずに優勝しました。
ダンスバトルの原点は1ON1であり、原点回帰しても優勝を勝ち取りました。強いですね~~
BOTYの見所
BOTYの見所は誰でも楽しむことができる内容になっている点です。
バトルだけではダンスファンしか満足出来なかったものを、「ショーケース」というエンターテイメントの要素を入れることで、より多くの人に訴求する事ができました。
(中略)
このショーケースでは、各国の代表が自国の持ち味を存分に出す事が出来るため、国際的にも大きな意味を持つ内容となっています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000103647.html
一般社団法人アーバンスポーツ&カルチャーコミュニティのPRTimesにこのような記載があり、なるほどなぁ~と思いました。
ショーケースであればダンスを知らない方にも見てもらえます。(シルクドソレイユ的な感覚!?)
また過去のBOTYのShowを思い返してみると、どのチームも工夫を凝らしていました。
自国の文化を全面的に出した国(日本は忍者っぽい恰好をしたり、和テイストの音楽を使ったり)、メッセージ性の強いShowを手掛ける国もありました。(No Warみたいな戦争はダメとか、過去のダンス界に貢献したJB、マイケル、MCハマーを模したShowもありました)
Battle Of The Year World Final 2022が沖縄で開催決定
Battle Of The Year World Final 2022が沖縄で開催決定しました。
12月3日土曜日、沖縄アリーナで開催されます。
チケット発売開始は10月20日(木)、詳細はまだ出ていませんので随時アップします。
Battle of the Yearの歴代優勝チーム
※2020年はコロナの影響で開催されていません。
注目していただきたいのが、2015年、2016年、2017年のThe Floorriorzの3連覇です。
凄すぎます.....
BOTY過去の日本代表の成績
2021 | The Floorriorz | ベスト4 | |
2019 | Body Carnival | ベスト4 | |
2018 | Foundnation | 準優勝 | |
2017 | The Floorriorz, MORTAL COMBAT | 優勝,ベスト4 | The Floorriorzは史上初の三連覇達成 |
2016 | The Floorriorz, Body Carnival | 優勝,ベスト4 | The Floorriorzは史上3チーム目の二連覇達成 |
2015 | The Floorriorz | 優勝 | 日本初となる優勝 |
2014 | Body Carnival | ベスト4 | |
2013 | The Floorriorz | ベスト4,Best Show | 2度目の出場 |
2012 | The Floorriorz | 準優勝 | |
2011 | Nine States B-Boyz | ベスト4 | |
2010 | MORTAL COMBAT | 準優勝,Best Show | 3度目の出場 |
2009 | All Area | Best Show | |
2008 | 廻転忍者 | Show Side 11位 | |
2007 | Turn Phrase Crew | 準優勝,Best Show | 本戦のBattle Sideで日本初となる勝利 |
2006 | MORTAL COMBAT | Show Side 6位 | 2度目の出場 |
2005 | 一撃 | 準優勝,Best Show | 2度目の出場 |
2004 | MORTAL COMBAT | Show Side 5位 | |
2003 | Fire Works | 4位,Best Show | |
2002 | 一撃 | 資料なし | |
2001 | チームOHH | 準優勝 | |
2000 | 早稲田ブレイカーズ | 準優勝,Best Show | |
1999 | Spartanic Rockers | Best Show | 招待枠出場,スイスと日本の混合チーム |
1998 | Spartanic Japan | Best Show | 招待枠出場 |
Battle of the Yearの歴史に残るShow
ダンスの歴史書の独断と偏見によるShowのご紹介です!!
2003年:韓国代表Gambler Crew
1つ目が2003年の韓国代表Gambler CrewのShowです。
ある意味伝説的で....
- 立ち踊りは全員下手くそ(笑)
- 音源は名曲を詰め込みまくりで繋いだだけ(笑)
- Showとしての完成度はかなり低い
にも関わらず印象に残っている理由としては、韓国勢の身体能力の高さを知らしめた大会だったからです。
2002年と2003年の間はBreakin'革命とも呼ばれ、世界のレベルがグンと上がった年です。
それを牽引したのが韓国勢で、エアーは当たり前、ヘッドや1990も異次元のレベルになりました。
また、片手倒立はオーディエンスの度肝を抜き、世界に大きなインパクトを与えました。
Salah:Special Showcase
2つ目はBOTYの風物詩となったSpecial Showcaseからチョイスしました。
以前、ストリートダンス史に残る名バトル【10選】で紹介したフランスのSalahのパフォーマンスです。
YoshieさんとIsseiとバトっている彼は、本当に器用で何でも踊れてしまう天才です。
再生回数は2500万回超えで、ダンスのソロパフォーマンスとしては最高傑作です。
2005年:一撃のShow
最後に選んだのが一撃のパフォーマンスです。
このチーム以上に個性とか、オリジナリティ、グルーブを感じさせるチームを見たことがないんですよね。
めちゃくちゃ楽しそうに踊っている姿とか、音楽を楽しんでいる姿がよく表れています。
以上が、BOTYのまとめでした。
今年は日本で開催されるので、この機会に足を運んではどうでしょうか。
シルクドソレイユより感動するかも!?
それじゃ、See you next time!!