B-boy(Bボーイ)、B-girl(Bガール)、B系ファッションという言葉を耳にしますが、この「B」の意味を知っている人は少ないはずです。
黒人のBlackの「B」、素行が悪い人が多いからBadの「B」など色々言われますが、実は音楽の間奏や休憩を意味する『Break』の「B」なのです。
ブレイクダンスの「B」も音楽の間奏や休憩の意味の『Break』が起源です。
ワンピースは「D」ですが、ストリート界にはびこる「B」について詳しく解説します。
B系・Bボーイ・Bガールの「B」って何なの?
今回は「B」の正体について書き留めています。
「B」の名前の由来
「B」の正体を知るためには、1970年代のアメリカのストリート文化を知る必要性があります。
1970年代黒人たちは、ブロックパーティと呼ばれる路上で音楽と歌とダンスを楽しむイベントをしていました。
そのブロックパーティで人気だったDJがクールハークです。
彼はオーディエンスやダンサーを観察していて『歌の間奏で盛り上がる』ことに気付きます。
当時はターンテーブル1つでプレイすることが主流でしたが、クールハークがもう1つターンテーブルを持ってきて2つを繋げ、音楽が途切れないように、尚且つ間奏部分だけを流しました。
するとブロックパーティは今までにないほど盛り上がり、クールハークのDJプレイにオーディエンスは熱狂します。
このクールハークがプレイする音楽を間奏ばかり流すので『Break Beats』と名付け、そこで踊る若者をBreak Boy→B-boy、Break Girl→B-girlと呼ぶようになりました。
これが「B」の名前の由来です。
「B」の意味
「B」はBreakからきているので、『壊れる』『型を破る』みたいなイメージを持たれがちですが、実際は『間奏・休憩』の意味です。
黒人のBlackでもなく、素行が悪いBadの意味でもありません。
と断言できるのも、世界3大DJの1人『アフリカバンバータ』の音声が残っているからです。(彼はご存命です...)
The Freshest Kids: The History of the B Boyという映像があって、そのことに言及しています。↓該当箇所が流れます↓(5:40秒~)
Bボーイ・Bガール・B系の違い
B-boy=Break Boy、 B-girl=Break Girl、どちらもブレイクダンスを踊る少年少女という意味です。
B系ファッションの「B」は、ブレイクダンスのBです。
つまりB系ファッションはブレイクダンスを踊る人が着用しているファッションの意味になります。
当時ブレイクダンスを踊っていたのは貧しくストリートで踊っていた黒人です。
その彼らがダボダボの服装を着用していたことから、B系ファッション=ダボダボと認識されるようになりました。
- 黒人の服は何でダボダボ?
当時の黒人はかなり貧しく頻繁に洋服を買う余裕が無かったので、子どもの頃は2サイズくらい大きめの服を買い与えられ長く着用していました。(オーバーサイズ文化と呼ぶ)その為日常的にダボダボの服装をしており、ストリートで踊るときも同じ服装で踊っていたのでダボダボの服装がB系ファッションとして認識された。
ブレイクの『B』に貢献した人
「B」の意志を創った人を紹介します。
DJクールハーク
DJクールハークは先ほども触れたように『Break Beats』を生み出し普及させた人です。
Break Beatsを作り、B-boy、B-girlに楽曲を提供し、オーディエンスを盛り上げた、紛れもなく「B」の概念を創った男です。
アフリカバンバータ
アフリカバンバータはHipHopの名付け親で、HipHopが4つの要素から構成されると提唱した第一人者です。
HipHopを構成する4大要素
- DJ...音楽
- B-boying...ダンス
- Graffty...グラフィックアート
- MC...ラップ
彼がHipHopを全世界に普及させブレイクダンスやブレイクビーツをHipHopとして定義し文化に昇華させた人物です。
彼も「B」の意志を創った1人です。
B系ファッションを着なくなったBボーイ・Bガール
「B」の意思は脈絡と受け継がれストリートダンスは今でも進化を続けています。
2024年にはパリオリンピックで正式種目となり、ストリート発祥のダンスが多くの人に認められたのは皆さんの知るところだと思います。
しかしB系ファッションにおいては絶滅危惧種となっており、街中でみることが少なくなりました。
理由は色々あると思うのですが、ファッションが一過性のモノで流行り廃りがあったり、他に目移りする若者が増えたなんてことも理由の1つでしょう。
でも、もっと社会的な背景があるように感じます。
オムロン創業者の立石さんが1970年に国際未来学会で発表したSINIC理論が凄すぎる…ネットすら存在しなかった時代になぜここまで未来を正確に描くことができたのか…立石さんの予測した現在は最適化社会で「生産性や効率追求に代わって人としての新しい生き方や自己実現が相対的に重要になる」とのこと pic.twitter.com/S29DjmQzgU
— 溝口勇児 WEIN/backstage CEO (@mizoguchi_yuji) June 6, 2019
最適化社会と言われている昨今、効率性・機能性・経済合理性を考える若者が増え、B系ファッションが時代に合わなくなったのが一番の原因ではないかと思います。(暴走族とかも減ったしwww)
「B」の意志を心のどこかに置いて今日もB系の服を断捨離します(爆)
それでは、See you next time!!